【百人一首の物語】五番「奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋はかなしき」(猿丸太夫)

五番「奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋はかなしき」(猿丸太夫) 百人一首に深刻な撰歌不審を招いた要因のひとつが、正体不明歌人の存在だろう。天智・持統天皇に始まり、歌聖人麻呂、赤人と流麗にながれてきたものが突然、猿...

【百人一首の物語】四番「田子の浦にうち出てみれば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ」(山部赤人)

四番「田子の浦にうち出てみれば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ」(山部赤人) 唐詩では杜甫を「詩聖」と称えますが、和歌でも歌の聖(ひじり)といわれる方がいます。だれあろう三番柿本人麻呂と四番山部赤人のご両名で、大伴家持にし...

【百人一首の物語】三番「あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」(柿本人麻呂)

三番「あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」(柿本人麻呂) 序でも述べましたが、あらためて百人一首とは「平安王朝の物語」といえます。これを章立てした場合、冒頭から十二番まではさしずめ「王朝の幕開けと...

【百人一首の物語】二番「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」(持統天皇)

二番「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」(持統天皇) 持統天皇はご存知のとおり天智天皇の娘である。叔父である天武天皇の妃となり草壁皇子を生んだ。天智・持統のように百人一首には親子がなんと十八組、三十五人も存...

【百人一首の物語】一番「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」(天智天皇)

一番「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」(天智天皇) 言わずもがな、百人一首の一番歌である。「後撰和歌集」秋中に収められるが「万葉集」巻十において類歌がみえる※1。五穀豊穣に言寄せる理想的天皇を仰いで...

百人一首とは「王朝の栄枯盛衰 物語」である!

百人一首は和歌史におけるレジェンド、藤原定家が選出した和歌のベストオブベストです。いわゆる百首歌というのは珍しくないのですが、それらはたいてい一人で百首詠んだもの。定家の百人一首はその名のとおり、百人の歌がそれぞれ一首ず...