既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その22「狂気の恋路」

642 「たまくしけあけは君かなたちぬへみ 夜ふかくこしを人見けむかも」(よみ人しらす)
644 「ねぬる夜の夢をはかなみまとろめは いやはかなにもなりまさるかな」(業平 なりひらの朝臣)
645 「きみやこし我や行きけむおもほえす 夢かうつつかねてかさめてか」(よみ人しらす)

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きぬぎぬの別れ後の孤独

共寝をした夜の事を思うと

言いようのない儚さに襲われる

本当にあの人と一緒にいたのだろか?

あなたが来てくれたのか、私が行ったのか?

寝ていたのか、起きていたのか?

夢だったのか?

現実だったのか? 

これは狂気!

そういえば、あの帰り道

人に見られなかっただろうか?

そんな恐ろしいことを考えるくらい

私は狂っているのだろう

この恋路に

(書き手:歌僧 内田圓学)
→関連記事「既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~(総集編)
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