既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その20「禁断の逢瀬」

633 「忍ぶれと恋しき時はあしひきの 山より月のいててこそくれ」(貫之)
634 「恋こひてまれにこよひそ相坂の ゆふつけ鳥はなかすもあらなむ」(よみ人しらす)

—————-
恐ろしくも走り始めた禁断の恋

あの人は兄の婚約者

だからなんだと言うのだ

一度逢瀬を遂げた恋を

だれが止めることをできよう

これは月が山の端から出てくるように

ごく自然のなりゆき

どうせ幾夜も逢えないのだ

逢坂のゆふつけ鳥よ

どうか今夜は鳴かないでおくれ

(書き手:歌僧 内田圓学)
→関連記事「既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~(総集編)
IMG_4350

和歌の型(基礎)を学び、詠んでみよう!

代表的な古典作品に学び、一人ひとりが伝統的「和歌」を詠めるようになることを目標とした「歌塾」開催中!

季刊誌「和歌文芸」
令和六年冬号(Amazonにて販売中)