源氏の恋文「黄昏の夕顔」



お便りありがとうございます

こんなにも美しく書き流した文は見たことがありません

あなたからの恋文と受け取ってよいのでしょうか

「寄りてこそそれかとも見め黄昏に ほのぼの見つる花の夕顔」

なにぶん噂ばかりで恋のやり取りに不慣れな私です

ましてやあなたの美しいお顔も見えにくい夕暮れ

もっと近くに寄れば、はっきりと見えるでしょうね

ごきげんよう

(源氏)


流石は光源氏。 得体の知れない女、夕顔からの挑発にも余裕で返答する。
懐から取り出した野暮な畳紙を、一瞬で恋色に染めるのであった。
さらに自分の筆跡とは違えるという周到ぶり。
探り合いから始まった二人は、やがて互いの身を焦がす恋に落ちる。

(書手:和歌DJうっちー)