あなたはひどい人
一人私を置き去りにして、遠いかの地へ逃げるのですね
私との逢瀬はしょせんうたかた、結局かわいいのは自分
「涙川
浮かぶみなはも
消えぬべし
流れてのちの
瀬をも待たずて」
はやくこの辛い憂世から消えてしまいたい
もうあなたとお会いすることもないでしょう
さようなら
(朧月夜)
女は本気だったのだ、この禁断の恋
優美な朧月は見る影もない
泣き乱れ書いた手紙がそれを語る
一方の源氏
弁解の余地はない
しかし悔やむより先に、女の乱れ書に酔いしれる
この期に及んでも最後に一目逢いたいと思う
源氏の闇は深い
(書手:和歌DJうっちー)
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