既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その20「禁断の逢瀬」

633 「忍ぶれと恋しき時はあしひきの 山より月のいててこそくれ」(貫之)
634 「恋こひてまれにこよひそ相坂の ゆふつけ鳥はなかすもあらなむ」(よみ人しらす)

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恐ろしくも走り始めた禁断の恋

あの人は兄の婚約者

だからなんだと言うのだ

一度逢瀬を遂げた恋を

だれが止めることをできよう

これは月が山の端から出てくるように

ごく自然のなりゆき

どうせ幾夜も逢えないのだ

逢坂のゆふつけ鳥よ

どうか今夜は鳴かないでおくれ

(書き手:歌僧 内田圓学)
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