雪の色を奪ひて咲ける卯の花に小野の里人冬ごもりすな(藤原公実)

今日から歌群は卯月の由来となった「卯の花」、ようやく夏らしくなってきた。ちなみにこの白い花の正式名称は「ウツギ」である、また豆乳の搾りかすでもない。
さて、今日の歌の見どころは「奪ふ」にある。美しい花の白さは雪から奪ったものだとする、単なる見立てではなく擬人化がされたそれが面白い。さらに花を目にした里人に、誤って冬ごもりするなと結ぶ、まこと採られた金葉集らしいユニークな歌だ。
ところで歌にまったく関係ないが、結句の「すな!」の響きに吉本新喜劇の伝統芸「乳首ドリル」がどうしても想起されてしまい、純粋な鑑賞の邪魔をする。どうしたものか…

(日めくりめく一首)

和歌の型(基礎)を学び、詠んでみよう!

代表的な古典作品に学び、一人ひとりが伝統的「和歌」を詠めるようになることを目標とした「歌塾」開催中!

季刊誌「和歌文芸」
令和六年冬号(Amazonにて販売中)