むかし思ふ小夜の寝覚めの床さえて涙も凍る袖の上かな(守覚法親王)

今日の詠み人は守覚法親王。以仁王、式子内親王とは同腹兄弟で歌に通じた。その功績は自詠歌よりパトロン的目利きだろう、頻繁に歌会を催し家集を献上せしめ千載そして新古今へ流れる風を醸成した。「仁和寺宮五十首」(守覚は仁和寺第六世法主である)などは新古今中の新古今、その原石と言えよう。さて今日の歌であるが、水が凍るなら袖の涙も凍るということで、和歌的には平凡な詠みぶりだ。

(日めくりめく一首)

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