あたらしき年のはじめにかくしこそ千歳をかねてたのしきをつめ(よみ人知らず)

古今集蒐集の大歌所御歌、詞書きにある「おほなほびのうた」とは大直毘神という禍いや穢れを治す神さまで、お正月にピッタリの目出たい歌である。内容はいたってシンプルで「千歳」なんて気の利いたことばさえ知っていれば誰でも詠めそうだ。ちなみに「たのしき」には「楽しき」と「木」が掛かっている、だから「つむ(積む)」なのだ。積み木遊びなんかも想像され、たいそう微笑ましい。その実内容より歌謡として評価されたのであろう、声にだしてみると「カ行」のアクセントが歯切れよく、晴れやかで心地よい。

「日めくりめく一首」

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