白妙の衣かた敷き女郎花咲ける野辺にぞこよひ寝にける(紀貫之)

なんとも牧歌的な歌だ。昨日と同様、女郎花という名から「女」に譬えるという安易なレトリックでもって、「野辺で今夜添い寝しちゃった」というのだからおめでたい。くだらないだろうか? 私は大好きだ。とかく和歌などと言うと無常への深い洞察をはらんだ、例えば新古今集などが高く評価されがちだが、本来和歌の懐はもっと広くて深いものだ。今日の歌など、酒宴の席などで詠めば大いにウケたことだろう。

(日めくりめく一首)

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