数ならぬ身にさへ年の積もるかな老いは人をも嫌らはざりけり(和泉式部)

よみ人:和泉式部 、所収:詞花和歌集

『老いとは人を分け隔てることがない。とるに足りないわが身まで老いは積み重なってきた』。人はなべて冷酷な世界を生きている、永遠に止まない「時間」という絶対王に支配された世界だ。ここに生まれ落ちたが刹那、全員が死という逃れられない運命に向けて行軍する。
今日の歌、式部がいつの頃詠んだのか分からない、しかし晩節の虚しさたるや甚だしい。宮廷を離れて後、彼女の叙述は絶えてしまう。後年の心情は察するしかないが、かの愛する二人の親王と娘を立て続けに失った虚脱感は計り知れたものではない。

(日めくりめく一首)