四季はうつろふ。咲いた花は散る、当然のことわりである。でも、いやだからこそ花を惜しむ心はいっそう燃えるのだ。暮れても明けても、目を離さず見ていた梅の花。作者は鑑賞ではなく監視の域に達しているようだ…、にもかかわらず! 花はいつの間にか散りはじめた。痛烈な落胆の様が目に浮かぶ。梅の花は特別だ。冬、わびしい無色の季節を耐えに耐え、ようやく出会えた花なのだから。それが断りもなく、そそくさと散ってゆくのである。次に会えるのは一年後。このつれなき無常との対峙が、人に歌を詠ませる。
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