光月の詠草

438
11
令和四年十一月
初冬
吹く風に人目も草もかれにける山里さびし冬は来にけり
光月

「吹く風に人目も草もかれにける山里さびし冬は来にけり」

判者評:

450
11
令和四年十一月
初冬
はままつに来にける千鳥もみぢばの色をとりてやまぎらはすらむ
光月
「色なき浜の松に千鳥が加えてきたもみぢの色が紛れている」ということ、斬新な趣向がみごと。結句「紛らはす」は「冬をそめたり」とはっきりと色を打ち出してもいい。

471
11
令和四年九月
仲秋
忌むべきと知れども見ばや望月のさやけき空をたそ愛でざらむ
光月

477
11
令和四年九月
仲秋
つねならぬ月にしあればうきよにも光あれとや照りわたるらむ
光月
移ろい変わる月のような憂き世でも光もあると照り渡るのだろうか、と仏教的な宗教感の見える歌。「光あれとや」と「あり」が「あれ」と活用されているが、「光ありとや」が適切。「月をし見れば」としたほうが、作者の詠嘆がより強まる。

495
11
令和四年八月
初秋
秋風も月を見たしと思ふやもうすき雲すらとく吹き退くれば
光月
秋風を擬人化し、秋の名月を見たいのかというユニークな歌。個人的には「やも」より「らむ」が好み。

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