令和歌合せ(卯月の会)詠進一覧

令和歌合せ(卯月の会)に詠進いただいたお歌をご紹介します。
→「和歌所の歌会・和歌教室

題「春」

ふたたびの年の始めを祝ふ空重ねて空の梅を咲かせて
花の色は光の中に一時を過ぎては春の風に跡なし
帰宅の途家族思ひて野花摘む吾子が伝えし春のよろこび
解けにけり君と交わしたシロツメクサひもゆふ暮れの風に乱れて
木漏れ日の穏ひに咲くる桜花今日の令き日に和やぎ集う
兜太大人(うし)ののぶとき骨(こつ)をうづめたるうぶすな肥へて梅が咲いたよ
陽炎の夜半に轢(きし)めく高殿を梅の園より見上げればくも
先つ世に契りし梅の香をきけどたつこと難き陰にはあるかな
花咲きて我は古巣に帰るなり戻りておぼゆ故郷のぬくもり
古の歌の海原たゆたひて醒めるを知らぬうつそみの夢
咲き初めてやがて散るべき梅の花ゆき去る人の道まがふまで
赤門に理Ⅲ合格桜咲けど偽胴上げを菅公は見つ
梅の花ほころび始めた春の日に母の旅立ち悲しみの雪
花の兄花橘の手を取りて歩みを始むあらたまの年

※順不同

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