夕まぐれ問ひてむなしき街(ちまた)かな行きかふ人のたえてあらねば
いづくへも迷わず行かむ八雲立つ出雲の神のさいはひあれば詠み人 圓学
十字街とは、『出雲国風土記』巻末の「主要道」に記された、国庁の北に位置する十字路のことである。ここでは、石見方面へ通じる正西道と、隠岐へ向かう隠岐道が交差していた。すなわち、古代の出雲人にとって、旅立ちの起点であった。
街(ちまた)には市が立ち、往来する人々で賑わいを見せたことだろう。しかし、いまやその面影はまったくない。市街地から離れた静かな田園のなかにあり、変わらぬのは眼前に広がる茶臼山の風景だけだ。
(書き手:内田圓学)
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