【和歌マニア(第53回)】ろっこの部屋♪ 第1回ゲスト「小野小町」

今回は新企画「ろっこの部屋♪」です。伝説の歌人達をろっこの部屋にお招きしていろんな話を聞いちゃいます。第一回目のゲストはなんと「小野小町」さん! 恋の駆け引きの秘訣や遍照とのエピソードを伺いました。

「岩の上に 旅寝をすれば いと寒し 苔の衣を われに貸さなん」(小野小町)
「世をそむく 苔の衣は ただ一重 かさねばうとし いざふたり寝む」(僧正遍照)

絶句連歌「春は来ぬ!」


去る1月28日に催した「古今伝授と茶飲み連歌(歌始めの会)」において仕上がった、二折の絶句連歌をご紹介します。
※「絶句連歌」とは、漢詩の絶句さながらに「起」「承」「転」「結」の四句からなる、平成和歌所オリジナルの連歌形式です。基本的な付け方、転じ方は連歌の心そのままに、気軽に楽しめるのが特徴です。
→「絶句連歌の作品一覧

題「伊勢物語(第一段)」

■一の折「老梅」
こぬれより 香ばかりにほふ 老梅や
ふく思ひいづ 青き恋の日
鈍色の 雲井を仰ぐ わが涙
ひぢりし袖は 唐服なりけり

■二の折「花枝」
春来して 初雪のせる 花の枝に
雲ふき流れ あるく雪道
初雪に おどろきまどう うぐいすや
日のひかり逢ひ なくはうれしき

平成和歌所の「歌会、和歌教室」

【和歌マニア(第52回)】妄想女子の恋歌日記(恋終わりの12月の巻)

古今集の恋歌を現代の妄想女子が日記にしてみた。残すところあと2回! 裏切られた男からの最後の電話に妄想女子がとった行動とは? 今回は吉三さんが朗読に復活! 切実な場面に思わず吹き出してしまうろっこ!?

♪放送で紹介した和歌
782「今はとて わが身時雨に ふりぬれば ことのはさへに うつろひにけり」(小野小町)
643「けさはしも おきけむ方も しらざりつ 思ひいづるぞ 消えてかなしき」(大江千里)
791「冬がれの 野辺とわが身を 思ひせば もえても春を またましものを」(伊勢)

「妄想女子の恋歌日記」~恋顧みる1月の巻~

●1月31日
春。
新しい命が息吹く特別な季節
見るものすべてが輝いて見えた

つまんない人生も、
春になればきっと変わるって
いつも信じてた

それが私にとっての春、
だった。

彼と出会って一年、

恋が終わってみれば
私はまた、何ひとつ変わらない
つまんない人生を生きていている

近ごろようやく日差しが暖かくなって、
雪間には若菜が顔をのぞかせている

山にはまだ霞が立ち込めているけど
その奥にはもうすぐ花がほころぶ

また春がくる!

でもきっと、それは昔と同じ春じゃない

期待もしない、でも絶望もしない
ただの春がやってくるんだ

747「月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わが身ひとつは もとの身にして」(在原業平)


(書き手:和歌DJうっちー)

「妄想女子の恋歌日記」一覧

都心降雪に詠う、雪と山橘


昨日(1/22)、ひさしぶりにまとまった雪が都心に降りました。
昼ごろからポロポロと降り始めた雪は宵の口には吹雪の様相、夜になると辺りは一面の銀世界。
都会の夜の雪は、灯かりを反射して街全体を白く染めます。雪国とはまた違う雪景色に、雪国育ちの私は心躍りました。

さて、せっかく降った雪です。
ここで歌を詠まないのはもったいない! ってことで一首ひねりだしました。

「深雪ふる 里の通い路 迷ひなば 山橘の 色を訪ねよ」(うっちー)

“山橘”は、初夏に詠まれる“花橘”とは別種、葉形が橘に似ていることからその名がつきました。現在では“ヤブコウジ”または“万両(マンリョウ)”なんておめでたい名でも呼ばれています。

山橘はその小さな赤い実が愛でられ、古来から歌に詠まれてきました。
「この雪の 消残る時に いざ行かな 山橘の実の 照るも見む」(大伴家持)
「わが恋を しのびかねては あしひきの 山橘の 色に出でぬべし」(紀友則)

ちなみに小さな赤い実といえば“南天”も想起されますよね。ただ南天は樹高が2Mちかくもある一方、山橘は30cmくらいの低木。
冬、ふと足元に目をやると雪間からひっそりと赤い実をのぞかせている。
この叙景に歌人たちは心を寄せたのです。

(書き手:和歌DJうっちー)

百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )

平成和歌所から本が出ました。その名も「百人一首の歌人列伝」!
百人一首は歌ではなく「歌人を楽しむ」ものです。厳選した百人一首二十歌人の面白エピソードと代表歌をぜひ知ってください。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

【目次】
・権中納言定家(藤原定家) 「怒れる天才サラリーマン」
・鎌倉右大臣(源実朝) 「甘えん坊将軍、鎌倉の海に吠える」
・在原業平朝臣(在原業平) 「愛され続けるプレイボーイ」
・和泉式部 「恋にまっすぐな平安ジェンヌ」
・紀貫之 「雑草が咲かせた大輪の花」
・凡河内躬恒 「麗しき二番手の真価」
・西行法師 「出家はつらいよ、フーテンの歌人」
・小野小町 「日本的、恋愛観のルーツ」
・源俊頼朝臣 「閉塞感をぶち壊せ! 孤独なチャレンジャー」
・式子内親王 「色と光を自在に操る印象派の女王」
#コラムその1 百人一首とは「王朝の栄枯盛衰物語」である!
・後鳥羽院 「お前のものは俺のもの、中世のジャイアン」
・菅家(菅原道真) 「悲劇の唇が吹く イン・ア・サイレント・ウェイ」
・崇徳院 「ここではないどこかへ」
・清少納言 「元祖! 意識高い系OLの可憐なる日常」
・柿本人麻呂 「みんなの憧れ、聖☆歌人」
・権中納言敦忠(藤原敦忠) 「禁断と破滅、平安のロミオとジュリエット」
・中納言家持(大伴家持) 「流れるままに。家持たぬ家持の万葉オシャンティー」
・後京極摂政前太政大臣(九条良経) 「天才貴公子が奏でるロンリネス」
・伊勢 「女貫之の冷たい仮面」
・能因法師 「元祖旅の歌人のノー、インドア宣言! 」
・皇太后宮大夫俊成(藤原俊成) 「和歌界のゴッドファーザー」
#コラムその2 百人一首は「ジジイのための歌集」である!

 

「四季を味わうルールブック」~古今和歌集で知る日本文化の基本~

「日本は四季が素晴らしい! 」なんて言葉をよく聞きます。
ではその素晴らしい四季、みなさん堪能していますか?
おそらく大半の方は、春の「お花見」、秋の「紅葉狩り」を楽しむ程度に終始しているかと思います。
しかし本来、日本の四季はもっと多様でもっと深く味わえるものなのです。
それで満足しているなんて、私としては「もったいない」としか言いようがありません。

みなさんが日本の四季を十分に味わえていないのには理由があります。
それは四季ひいては日本文化を鑑賞するための「ルールを知らない」のです。
そして他ならぬこのルールブックこそが「古今和歌集」なのです。

本書では古今和歌集の四季(春夏秋冬)歌に焦点を絞り、分かりやすく解説しています。
これをご覧いただき、日本の四季を堪能するための「基本ルール」を身に付けていただければ幸いです。

【目次】
■春
・梅 その一 「五感で感じるハーモニー」
・梅 その二 「鶯とのアヤシイ関係」
・桜 その一 「桜はいつ日本の花になったのか?」
・桜 その二 「桜の愛され方」
・暮春(三月尽)「ストップ・ザ・シーズン! 行く春と来る夏」

■夏
・ほととぎす 「夏のヘビーローテーション」
・あやめ、紫草 「初夏のパープルヘイズ」
・花橘 「追憶のスイッチ」
・雨 その一 「雨に詠えば ~詩吟・イン・ザ・レイン~」
・雨 その二 「雨の四季とその色」

■秋
・秋風 「風で知る秋の訪れ」
・七夕 「七夕の歌で知る三代和歌集の違い」
・月 「見てはいけない! 本当の中秋の名月」
・虫 「悲哀を歌うソプラニスタ」
・雁 「アメコミも真っ青!? 雁の特殊能力」
・夕暮れ 「三夕の歌 ~秋の夕暮れベスト3~」
・秋の七草 「歌って覚える♪ 秋の七草」
・荻、萩、薄「秋の草が招く大混乱」
・女郎花 「とばっちりだよ女郎花」
・露 「和歌のバイプレーヤー」
・菊 「聴くほどに味が出るスルメ歌」
・紅葉 その一 「もみじを愛でるエトセトラ」
・紅葉 その二 「関東の竜田川を探せ! 」

■冬
・柳 「十一月に柳!? 花札の謎を古今和歌集で解く」
・雪 「美の結晶、白雪は美しいか?」
・冬の月 「月の不思議。月は冬こそ美しい」

■雑
・年賀 「年賀状におすすめの和歌」
・年内立春 「日本美の幕開けと貫之の本気」
・着物と和歌 「袖は口ほどにものを言う」
・天皇と和歌 「建国記念の日に知っておきたい天皇の歌」
・羇旅、離別 「別れと旅立ちに添える歌」
・賀歌 「日本人のバースデーソング」
・暦と和歌 「暦(カレンダー)の楽しみ方」

 

【歌会、和歌教室】古今伝授と茶飲み連歌会(歌始めの巻)

これまで幾度の「わくわく和歌ワークショップ」をつうじて気づいたことがあります。
それはお集まりいただく方々が一様に「数寄者」だということ、
そして同時に現代には「数寄を楽しむ場がない」ということです。

「茶道」やその他芸事なんてのは現代でも至る所に体験できる場所があります。
しかし、これらは稽古のための稽古を繰り返すばかりで、
本当にで「数寄」を楽しめる場ではないのではないでしょうか?

非常にもったいない!
私は数寄者が心から楽しめる場所をつくりたいと思います。

業平に西行、利休に芭蕉。
私に彼らのような才能はなくとも、憧れだけは尽きることがありません。
さあみなさん、私と一緒に歌を愛し数寄者の道、風雅の誠を探求しましょう!
※私が考える数寄者とは、歌や文学など「古典文化」に憧憬を抱き、時には現実から離れてその道に没頭する人です

〇開催日:1/28(日)10:00~12:10 ※毎月第3or4日曜に開催
 ※申込締切:1/24
〇初回体験費:2,000円(税込)
〇参加費(1回):3,000円(税込)
〇開催場所:東京メトロ銀座駅徒歩5分 ※お申込み頂き次第、会場の詳細を返信いたします

詳細、お申し込みはこちら
→「平成29年 秋の大文化祭☆開催レポート

鎌倉散策(第二回)~春を探して~

さて年もあらたまり、恒例の鎌倉散策に出かけて来ました(といっても二回目ですが…)。
前回は春真っ盛り、桜満開の散策は見応えたっぷりでした。
→関連記事「北鎌倉の桜散策 ~実朝を探して~

しかし今回は新春とはいえ冬枯れの季節、果たしてどんな景色に出会えるのか!?
期待と不安が入り混じるなか、鎌倉散策スタートです。
※散策日:2018年1月10日

まず訪れたのは、前回も足を運んだ円覚寺、
そこで目にしたのは…

「花も紅葉もなかりけり!!」
まあこの時期ですから当然ですが、前回圧倒された桜満開の参道とは雰囲気がまるで違います。
円覚寺は鎌倉五山第二位の禅寺です。と考えると、、むしろこの寂れた感じこそがあるべき姿なのかもしれません。

春の桜、初夏のあじさいで有名な「月明院」も同様です。
花の参道もこの姿…

でも山門を裏からご覧ください。
冬の草花が彩りを飾っているではありませんか!
なんて風流なんでしょう。

次いで、またも来ました「鶴岡八幡宮」。
朽ちた大銀杏の右手には新しい命が守られています。
「がんばれ大イチョウ!」。私も小さくつぶやきました。

ご覧ください、これらはハトでありません「カモメ」です。

実朝にとっても、カモメはとっても身近な存在だったんでしょうね。
「かもめゐる 荒磯の洲崎 潮みちて 隠ろひゆけば まさるわか恋」(源実朝「金槐和歌集」より)
→関連記事「源実朝 ~甘えん坊将軍、鎌倉の海に吠える~

さて、ここまでは前回と同じ散策ルートでしたが、以後は違います。
地元鎌倉をこよなく愛する“S様”にご案内頂き、鎌倉の穴場?スポットを巡りました。

鎌倉五山のひとつ、「浄妙寺」です。
ここでは素晴らしい出会いがありました。

なんと老梅に花がほころんでいたのです、それもただ一輪。
知らないうちに、春は来ていたのですね。
これは歌を詠まずにいられません。
「消えあえぬ 雪の名残と 眺むれば 寒しき枝に 花ぞ咲きける」(うっちー)
「冬知らぬ 鎌倉人は 梅が枝の 白きを見れば 雪ぞやと見る」(うっちー)

そして“S様”おすすめのナンバーワンの「荏柄天神社」。
なんと、ここにも春はありました。しかもほの赤い春が。

札には「鎌倉一早咲き 寒紅梅」とありました。
調子に乗ってもう一首…
「冬ながら 春のここちを たどふれば 絵柄の社 花ぞ咲きける」(うっちー)

思いがけず梅の花、しかも紅白両方を目にすることができるなんて、
私はなんて幸運なんでしょう!

いつ来ても風流を感じさせてくれる、やはり鎌倉は素晴らしい場所です。

(書き手:和歌DJうっちー)

→「令和歌合せ(卯月の会)」4/28(日)9:50~11:50