大河なドラマに思ふこと

満を持して放送されたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の初回視聴率は19.1%だったそうです。昨年の「いだてん」の年間平均視聴率が史上最低の8.3%であったようですから、驚異的な復権を遂げたことになりますね。
要因には4Kで撮影された鮮やかな映像などもあるでしょうが、はやり王道の「戦国時代」への回帰が大きいのでしょう。日本人の極端な「戦国」そして「幕末」好きはしばらく続きそうです。

→「NHK大河「麒麟がくる」初回視聴率19.1% 4年ぶり19%超(毎日新聞)

しかしこれ、少し気になります。和歌好きだから「平安時代も題材とすべき」と、思わなくもありませんが違います。※大河ファンには評価も高かった「平清盛」も視聴率は振るわなかったとか、、

私は思うに、この島国のテレビジョンは日本という狭い辺境の文化歴史に偏り過ぎていると思うのです。視聴者が日本人だからしょがない、という意見もあるでしょう。しかし世界に目を向けた番組があまりにも少なすぎると思います。これが視聴者の意向の顕れだとすれば、日本人の関心は相当内向きに縮こまっているということになります。私はグローバル化の文脈で偉そうなことを言うつもりはありませんが、もう少し外向きに視野を広げた方が単純に楽しくなるのになあと思うですが…

もしかしたら、くだんの大河ドラマこそ日本人の内向き気質を促進しているのかもしれません。これで例えばイギリスやフランスの市民革命でもいいしコロンブスやバスコ・ダ・ガマの新航路開拓でもいい、世界史を題材にしたドラマを手掛けたら日本人の意識は相当変わると思います(これほど話題性の高い番組はありませんからね)。日本人が西洋人を演じるのに違和感があれば、中国の春秋戦国時代や高祖劉邦の話も相応しいでしょう。世界に目を向ければもっとドラマチックで壮大なまさに大河の如き物語は溢れているのですから。

さて、なぜこんなことを言うといえば、私自身が今ちょうど「項羽と劉邦」にはまっているから。これを大河ドラマでやってくれたら嬉しいなぁ

(書き手:和歌DJうっちー)

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