風雅の誠を追っかける!

同じものをかの藤原俊成は「本意(ほい)」と言い定家は「有心(うしん)」と著した。そして芭蕉が諭したのが「風雅の誠」である。
風雅とは狭義に詩文や書画への嗜みとされるが、これは広く花鳥風月そして恋、この世をうつろひやまぬ美的様相への希求心である。これらをやむなく留めたのが詩歌であり、その極意が三冊子で語られた「不易流行」だ。

現代人はすべからく満たされているが、ひとつ欠けているものがある、それこそが「風雅の誠」である。
ひと欠けといっても、これが心のど真ん中であるからタチが悪い。して私たち現代人はみな委縮し、閉塞し、退屈なのである。いまこそ、私たちに必要なのは「風雅の誠」なのだ。それは享楽であり希望であり人生である。
楽しまなくてどうする、遊ばなくてどうする。人生の誠は追及をとめぬものにしか味わうことができない。そしてそれは、ひとりより大勢のほうが心地いい。
ともに走ってみないか、風雅の誠へ続く道を。

(書き手:歌僧 内田圓学)

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