「和歌を楽しもう!〜百人一首と筆あそび〜」at 小笠原学園レポート(21年11月)

令和和歌所では「和歌を楽しもう!〜百人一首と筆あそび〜」と題し、東の歌の都こと鎌倉にほどちかい逗子の「小笠原学園」にて月一回講座を開催しています。

この講座は「古典和歌(百人一首)」を丁寧に鑑賞し、それを「かな書」で書いてみようという、一度で二度楽しい、お遊びながらも本格的な日本文化に親しめる内容です。

「かな書」は代表的な古筆「高野切れ」に倣いつつ、「変体仮名」の使用を減らして日常に活用できる作品づくりを目指しています。

日本文化を気軽に満喫したいという方のご参加をお待ちしております。

【21年11月講座レポート】

今月は百人一首の四十番から四十三番までの歌を鑑賞しました。
そのうち兼盛と忠見の歌は天徳内裏歌合の最終番の「忍ぶ恋」で合わせられたものでした。
伝説的な歌合せの、その勝敗はいかに!? など、いろいろなエピソードをお話ししました。

40「しのぶれど色に出にけりわが恋は物や思ふと人の問ふまで」(平兼盛)
41「恋すてふわが名はまだき立ちにけり人しれずこそ思ひ初めしか」(壬生忠見)
42「契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山 波越さじとは」(清原元輔)
43「逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔は物を 思はざりけり」(権中納言敦忠)

あわせて秋の「紅葉(もみじ)」が詠まれた歌を学びました。
色とりどりの紅葉ですが、和歌では詠まれ方の類型があります。それを知ることで、紅葉狩りの楽しみ方もきっとかわるでしょう。

「筆あそび」では以下を手本にして楽しみました。
兼盛と忠見の歌をそれぞれ書けば、疑似歌合せの完成です!

・「しのぶれど色に出にけりわが恋は物や思ふと人の問ふまで」(平兼盛)
・「恋すてふわが名はまだき立ちにけり人しれずこそ思ひ初めしか」(壬生忠見)
・「年ごとにもみぢ葉流す竜田川みなとや秋のとまりなるらむ」(紀貫之)

受講者さまの今回の作品

※次回開催は「12月21日」です。まずは体験から、みなさまのご参加をお待ちしています。

見学、お申し込みはこちら(小笠原学園)

(書き手:内田圓学)

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