歌塾は「現代の古典和歌」を詠むための学び舎です。初代勅撰集である古今和歌集を仰ぎ見て日々研鑽を磨き、月に一度折々の題を定めて歌を詠みあっています。
→和歌を詠むための「歌塾」
令和四年六月の歌会では以下の詠草が寄せられました。一部を抜粋してご紹介します。
題「雨」
「五月雨にひたと鳴きけるほととぎす今は昔の恋語るごと」
「五月雨にしをるる庭のうの花を見てはうき事ばかり思ひぬ」
「雨音にふと気がつけばにはたづみ落とす涙もともに流れむ」
「紫陽花のあぢきなき身になりぬらし身を知る雨のふりしまされる」
「朝ぼらけ窓のながめに五月蝿らも手すり足すり空あふぐらし」
「五月雨の夜に鳴きわたるほととぎす声ふるはせて誰を恋ふらむ」
「さみだれに美豆のまこもの乱れつつものを思へば身こそ濡れぬれ」
「たまくらにをるべきひとも雨もよにかすみゆきつつ袖ひちにけり」
「ながめふる池のみぎわの花あやめ立ちぬれてなほ色はまされり」
「春日杜並ぶ灯篭雨にぬれ苔の緑の深き夕暮れ」
「草と木のなほもあをめば五月雨に乱るる思ひぞ澄みてくるらむ」
「降りやまぬ雨のうちにぞ聴きわかむ絶へてひさしき君が足おと」
「逢ひ見てしのちの長雨にとだえせば軒の糸水ひくもうらめし」
代表的な古典作品に学び、一人ひとりが伝統的「和歌」を詠めるようになることを目標とした「歌塾」開催中!
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