既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その31「空の彼方」

743「おほぞらは 恋しき人の かたみかは 物思ふごとに ながめらるらむ」(酒井人真)
746「かたみこそ 今はあだなれ これなくは 忘するる時も あらましものを」(よみ人しらす)
747「月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わが身ひとつは もとの身にして」(在原業平)

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忘れたい

そう思うほど、切なさがつのる

思い出はすべて捨てたはずなのに

まだ残ってる

大空よ

この果てにあなたをみてしまう

月でさえ

春でさえ

昔のままでないのに

私だけは何も変わらない

ひとり空を見上げてる

(書き手:歌僧 内田圓学)
→関連記事「既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~(総集編)
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