661「紅の色にはいてしかくれぬの 下にかよひて恋はしぬとも」(友則)
663「笹の葉におくはつ霜の夜をさむみ しみはつくとも色にいてめや」(躬恒)
667「下にのみ恋ふれはくるし玉のをの 絶えてみたれむ人なとかめそ」(友則)
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人に知られてはいないか?
そう思うと、背筋が凍る
とにかく今は、あの逢瀬をなかったことにするしかない
紅の色のように
厳冬の朝、笹の葉に置く初霜の様に
決して、顔色になぞ出してはならない
忘れよう
忘れよう
ただそう思うほど、愛しさがこみ上げる
なんという苦しさだろう
いっそのこと、玉の緒が切れるように乱れてしまいたい
誰の咎めも受けずに
(書き手:歌僧 内田圓学)
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