絶句連歌「寒の花」


去る3月25日に催した「古今伝授と茶飲み連歌(如月の会)」において仕上がった、三折の絶句連歌をご紹介します。
※「絶句連歌」とは、漢詩の絶句さながらに「起」「承」「転」「結」の四句からなる、和歌所オリジナルの連歌形式です。基本的な付け方、転じ方は連歌の心そのままに、気軽に楽しめるのが特徴です。
→「絶句連歌の作品一覧

題「寒の花」

■例『濡れる蕾』
発(起) :長雨に 濡れる蕾の いとほしさ
脇(承) :涙こぼるる 薄紅の袖
第三(転):佐保姫の 舞に心は あくがれて
結(結) :花のほころぶ 春は来にけり

■一の折『春の日』
ひさかたの 光あふるる 春の日や
残雪遠く 山桜さく
宿に入り 衣にのこる ひとひらは
楽しいときの なごりなりけり

■二の折『日は雪く』
日は雪(さむ)く 勢いに任せて 咲くらめど
あしたにさける はるのうららに
隅田川 花の木の下 昼寝して
日一日の沢よ 春は曙

■三の折『さくらはな』
はや散るや 思ひとどめし さくらはな
ぬばたまの夜の 夢になるべく
はらはらと 舞いにしてふの 影を追い
のどけきさまは はるのかすみか

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