序
出雲より東への帰り路の車窓より
草々
車窓より大山を見て
「乗りあひの人もゆかしく思ふかなとほざかりゆく伯耆の富士を」
「目に映えていみぢきものはしろたへの雪をかぶれる冬の大山」
「だんだんと思ふこころぞまさりゆくふただひあはむ山のふるさと」
※『だんだん』は出雲弁でありがとうの意
迷ふこころを
「行く末は果てなきものと知るらめやそれでも行かむ東への路」
「道辺の解けぬこほりのつめたさにわが行く末にの定めをぞ知る」
蒜山高原を越えて
「峠なる深山が原に来てみれば今年の雪にあひにけるかな」
「雨雪を降り尽くしてや蒜山を越えては雲のひとつだになき」
山陰道の道々を見て
「今人は神にあらむや山々を切りては結び道ぞつくれる」
岡山にて
「わがこころいまだ雲居のうちにあり晴の国てふ吉備にしあれど」
新幹線の車窓にて
「駿河なる山のみ富士といふ人に見せばや西の伯耆の富士を」
重ねて詠める
「知る人の影ぞ少なになりにける東に身をば捨てし後には」
令和七年一月三日
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