白露の色は一つをいかにして秋の木の葉を千々に染むらむ(藤原敏行)

二十四節季もそろそろ白露になるころだ。近年では残暑長く、朝露はまだ目に遠いかもしれないが本来は秋も本番を迎える。さて「露」は草木に置くものであり、あくまでも脇役だと思うかもしれない。しかし和歌で「露」は千変万化に立ち回る主要キャラクターのひとつだ。『露は白一色であるのに、どうやって秋の木の葉を沢山の色に染めるのだろう』。伝統的な和歌では、秋の木々が色を変える(紅葉する)のは露のしわざと考える。これが葉に置くことで、魔法の様に秋の色に変わるのだ。詠み人は藤原敏行、直球男は今日も変らぬストレートで勝負する。

(日めくりめく一首)

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