水鳥を水の上とやよそに見む我もうきたる世を過ぐしつつ(紫式部)

『水鳥なんていい気なもんね、四六時中水の上にプカプカ浮いちゃって。でも憂き世にフラフラ~と浮いて日々を過ごす私も似たようなもんか、、』。千載集に採られた紫式部の歌であるが、案外こういう歌から「鴛(水鳥)」即ち「憂き」が盛んになったのかもしれない。さて、この歌の出典は「紫式部日記」である、実のところ数多の日記文学において、彼女の日記ほど私事を覗いてしまったという背徳感を感じ得るものはない。そしてかの歴史的大著「源氏物語」も、引っ込み思案女子の妄想の書き殴りであった、と理解させてくれる。

(日めくりめく一首)

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