今宵こむ人にはあはじ七夕のひさしきほどに待ちもこそすれ(素性)

今日の七夕歌も古今集また素性法師らしい一首だ。『今夜来る人には逢わない、だって織女のように長く待つようになるのはやだからね』。昨日と同様に七夕伝説をネタとして扱いながら、ウィットを洒脱に効かせている。和歌というと情趣が連想されるかもしれないが、実のところ最初の勅撰集は理知で滑稽が主流をなす。国風に傾倒始めた時代の日本のハイソサエティにもてはやされたのは、このようなスタイルだったのだ。

(日めくりめく一首)

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