雨はるる軒の雫に影みえて菖蒲にすがる夏の夜の月(藤原良経)

今日は旧暦の4月14日【小満】
よみ人:藤原良経 、所収:風雅和歌集

いやーやっぱり良経はカッコいい。もちろん貫之や定家もいいけど、彼らは歌の専門家。良経はなんたって従一位で摂政の大貴族だってのにこんな素敵な歌を詠む(そう考えると、後鳥羽院なんて人はなおさらすごい)。
歌の菖蒲は「あやめ」と読む。となると現代人は紫色の花を思い起こすかもしれないが違う、和歌で詠まれる菖蒲(あやめ)は「根菖蒲」なのだ。ちなみに「いずれ菖蒲か杜若」という言葉もあって、本来はさらに詳しい説明すべきだが長くなるので省く。
さて、歌はこれを軒に飾る「軒菖蒲」を詠んだものだ、菖蒲はその強い芳香が邪気を払うとされた。それにすがってみせる、夏の夜の月。上の句から得られる切望感が相まって、声調の美しさとはうらはらに張り詰めた緊迫の情景が歌われている。

(日めくりめく一首)

→令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、長月)9/22(日)9:50~11:50