見ぬひとによそへてみつる梅の花散りなむのちのなぐさめぞなき(藤原定頼)

今日は旧暦の1月24日
よみ人:藤原定頼 、所収:新古今和歌集

親父がすごければ、二世もすごいとはならないが世の中だ。偉大なる古典を遺した公任と違って、その長子定頼が残したものはチャラ男のお戯れエピソードにすぎない。とくに知れ渡っているのが百人一首の六十番「大江山※」、とまでいえば説明は不要であろう。小式部内侍にピシャリとやられたのがこの定頼なのだ。でもって、今日の歌もそれに通じる。相手は大弐三位、母はあの紫式部だ。『最近来てくれないから、あなたの代りとして梅の花を眺めていました。これが散ってしまったら絶望しちゃうなぁボク』と、甘えてみせる。対する女の返事やいかに!? これは明日のお楽しみということで。しかし本来、男が女に通うのが道理のはず。もしや「たえだえにあらはれわたる※」先方の母上の影にビビってしまったのだろうか?

※「大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天橋立」(小式部内侍)
※「朝ぼらけ宇治の川霧たえだえにあらはれわたる瀬々の網代木」(藤原定頼)

(日めくりめく一首)

→「令和の歌合せ(皐月の会)」5/26(日)10:00~12:00