梅が香に昔をとへば春の月こたへぬ影ぞ袖にうつれる(藤原家隆)

今日は旧暦の1月27日
よみ人:藤原家隆 、所収:新古今和歌集

日本人として、鎌倉時代初期に「新古今和歌集」という言葉の芸術作品群が生まれたことに驚愕する。それにひきかえ、現代の言葉のなんと貧しいことだろう。しかし一方で、いやそれゆえ新古今はとっつきにくく難しいとされる。私としては、それは鑑賞方法が間違ってるのだと思う。新古今は歌集にあって歌集にあらず、画集なかでも心象風景を撰集したものだと理解いただきたい。たとえば東山魁夷やシャガールを連想すれば明るいだろう。今日の作者は藤原家隆、定家と並び称する新古今画伯だ。梅の香にありし人を問う、答えやしないが袖には月が映っている。つまりはそれが答えなのだ。言葉にならぬとはこのような歌をいう。

(日めくりめく一首)

→「令和の歌合せ(皐月の会)」5/26(日)10:00~12:00