枝に漏る朝日の影の少なさに涼しさ深き竹の奥かな(京極為兼)

今日は旧暦の6月4日
よみ人:京極為兼 、所収:玉葉和歌集

「竹林」、今や日本美の典型であるが、これの成立は案外新しい。それこそ玉葉集ひいては京極為兼の功績と言えよう。「歳寒三友」をご存じだろうか、中国文人画では寒きに耐える友として好まれ、日本に伝わると慶賀の象徴となった、いわゆる「松竹梅」である。和歌では古く常緑の松、初春一番に綻ぶ梅を盛んに詠んだが、なぜか竹は雪の下折れや葉揺れの音が二次的に詠まれるのみであった。これを真っ向から美のモチーフとしたのが、今日の一首なのである。喧騒を離れた竹林の奥の奥で捉えた夏の印影、革命が起こった瞬間である。

(日めくりめく一首)

→「ろっこの和歌Bar(7月の夜会)」7/24(水)19:30~22:00