春雨の綾織りかけし水の面に秋は紅葉の錦をぞ敷く(曽根好忠)

今日は旧暦の10月29日
よみ人:曽根好忠 、所収:詞花和歌集

誰でもその名を耳にしただけで、期待感を抱く歌人がいるものだ。貫之、定家は多くがラインナップしているだろうが、私はこの歌人もそんな一人だ、曽根好忠である。以前好忠を「ギャプ系歌人」とご紹介したが、官位は六位と卑賎の身で宮中の歌会からつまみ出されるような人物であるが、なにしろ歌が美しい。それは今日の歌もだ。『春の頃、雨が綾織り模様を描いた水面に、今日は紅葉が錦を敷いている』。春と秋。水面(みなも)に移る四季の移ろいを美しく切り取った、まさに豪奢な大和絵のような一首だ。

(日めくりめく一首)

→「ろっこの和歌Bar 年忘れの夜会」12/12(木)19:30~22:30