我がためと聞きやなさましホトトギスぬし定まらぬ己が初音を(冷泉為相)

今日は旧暦の4月21日
よみ人:冷泉為相 、所収:風雅和歌集

『私のためと聞いてもいいだろうか? まだ主が定まらないホトトギスの初音を』。初音といえばミクではなくて「鶯(うぐいす)」であるとご紹介したが、まあこのようにホトトギスに使っても構わない。鳥であれ花であれ風であれ! 時節の初物はなんだって有り難いものだったのだ、このへん中世の貴族と江戸っ子はなんら変わらない。
さて歌であるが、なんとももどかしい。結局だれのものでもない鳥の音であるのに、なぜことさら控え目な態度でそれを聞いているのか。詠み人は冷泉為相、今に残る冷泉家の祖であるが、同じく御子左家から分かれた二条、京極の後塵を大きく拝することになったのは、この慎ましさが仇になったかもしれない。

(日めくりめく一首)

→令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、神無月)10/27(日)9:50~11:50