待つほどに夏の夜いたくふけぬれば惜しみもあへぬ山の端の月(曾禰好忠)

今日は旧暦の6月12日
よみ人:曾禰好忠 、所収:詞花和歌集

もし百人一首歌の人気アンケートを取ったならば、どの歌がナンバー1になるだろう? 個人的には第四十六番、曾禰好忠の恋歌※ あたりが本命だと思う。ちなみに曾禰好忠だが、ギャップ萌え歌人であれば断トツでナンバー1だ。出自は不明で官位は六位、「大鏡」には円融上皇の御遊に招かれもせず参加し、無残にもつまみ出されたという恥ずかしいエピソードが残る。これに聞くかぎり相当卑賤の人である。しかし! 歌はいい、それも恋歌が素晴らしいのだ。
今日の歌は「夏部」に収まるが、恋の匂いが強い。『いくら待てども、人は来ぬまま夜は更けゆく。山の端の月のいっそう惜しまれることよ』。好忠の歌に心動かされるのは、題詠ではなく自身の経験が隈なく込められているからだろう。

※「由良の戸をわたる舟人梶をたえ行方もしらぬ恋の道かな」(曾禰好忠)

(日めくりめく一首)

→令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、長月)9/22(日)9:50~11:50