夕月夜ほのめく影も卯の花の咲けるわたりはさやけかりけり(三条実房)

今日は旧暦の4月9日
よみ人:三条実房 、所収:千載和歌集

和歌では白さを讃える場合、同じく白きものと合わせて相乗効果を得るか、夜の闇にあって際立つ様を詠むことが多い。前者は「白菊に置く霜」などが知られるだろう、今日の歌は後者に近い場面でその美しさが詠まれている。
光と闇が交代する夕月夜、その瞬間にひとつ際立って光るものがある、それこそが卯の花であった。結句の「さやけかりけり」は少々説明が過ぎないこともないが、心の吐露であればやむを得ない。今回も採られた千載集らしく声調一流である。

(日めくりめく一首)

→「令和の歌合せ(皐月の会)」5/26(日)10:00~12:00