今日よりはたつ夏衣うすくともあつしとのみや思ひわたらむ(崇徳院)

今日は旧暦の4月2日【立夏】
よみ人:崇徳院 、所収:詞花和歌集

今日は立夏、本来なら草木繁るる豊沃な季節であるが、花たる花をなくした和歌では虚しさが先に立つ。そういう視点でしばらく日めくり一首をご覧頂きたいが、まず解消しておきたいのが崇徳院のことだ。崇徳院といえば白河院のご落胤とされ鳥羽院に疎まれ、保元の乱では弟後白河院に敗れ讃岐に配流、死後は怨霊として恐れられた。百人一首歌はたいていその悲劇的な人生の象徴とされる。昨日ご紹介した暮春の歌もそれを補完するような内容であったが今日の歌はどうだろう、「夏衣」の縁語で「裁つ」「薄し」「厚し」を導き、そのまま「立つ」「暑し」の掛詞としている、まさに誹諧歌の極みだ。採られた詞花集自体がその体に満ちているが、この御製歌は中でもシンボリックに扱われる。ようするに言いたいことは、崇徳院だってこんな箸にも棒にも掛からないダジャレを楽しんだ当たり前の人間だったのだ。

(日めくりめく一首)

→「令和の歌合せ(皐月の会)」5/26(日)10:00~12:00