五月雨に乱れそめにし我なれば人を恋路に濡れぬべらなり(凡河内躬恒)

今日は旧暦の5月20日【夏至】
よみ人:凡河内躬恒 、所収:玉葉和歌集

お分かりの様に四季ではなく恋の歌である。『五月雨のように、あなたへの思いに乱れ始めた私は、恋路にはまってずぶ濡れになったようだ』。雨は「涙」の暗喩、「みだれ(乱れ)」という言葉の響きも相まって、和歌の恋に五月雨という叙景は抜群にふさわしいと思うのだが、今日のような歌はことのほか少ない。詠み人は凡河内躬恒、おのずと期待も高まるが拍子抜けだ。恋に乱れて濡れるとは、発想として予定調和が過ぎる。すっぽ抜けの甘いボールを空振りしてしまう、躬恒の悪い癖が出た。

(日めくりめく一首)

→秋の和歌文化祭 11/10(日)9:30~16:30