七夕のと渡る舟の梶の葉にいく秋かきつ露のたまづさ(藤原俊成)

今日は旧暦の7月23日
よみ人:藤原俊成 、所収:新古今和歌集

習俗に詳しい人などは七夕の願い事は短冊ではなく「梶の葉」に書くものだと知った風に言うかもしれない、確かにそうであったろうが八代集の七夕歌をみてそれが分かるのは僅かに二首に過ぎない、ひとつが後拾遺集の上総乳母※、そしてもう一つが今日の俊成によるものだ。ともに序詞によって梶の葉を導くのは共通しているが、さすがに俊成は「たまづさ(玉梓)=手紙」に涙の暗喩となる「露」を添えて、それを幾たびの秋繰り返してきたと一入の抒情を描いている。あまたの七夕歌においても格別の一首だ。

※「天の川と渡る舟の梶の葉に思うことをも書きつくるかな」(上総乳母)

→令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、長月)9/22(日)9:50~11:50