なけやなけ蓬が杣のきりぎりす過ぎ行く秋はげにそ悲しき(曽禰好忠)

今日は旧暦の9月14日
よみ人:曽禰好忠 、所収:後拾遺和歌集

『鳴けや鳴け! 蓬が茂って荒れ果てた我が家のきりぎりすよ。過ぎ去って行く秋はこんなにも悲しいのだ』。「きりぎりす」という名はどうにも言葉遊びが出来なかったらしい、ほとんどの和歌では素直にその音色が詠まれている。ただ今日の歌、秋の夜長にしんみりと虫の音に聴き入るという感じではない、どうせ悲しくなるのなら、いっそのこと鳴いて鳴いて鳴きまくれ! と叫びにも似た激情が詠まれている。詠み人は曽禰好忠、おそらく自身も虫と重奏するように泣いて泣いて、行く秋に思いを寄せていたのだろう。

(日めくりめく一首)

→秋の和歌文化祭 11/10(日)9:30~16:30