さくら花ぬしを忘れぬ物ならば吹きこむ風に言伝はせよ(菅原道真)

今日は旧暦の3月17日
よみ人:菅原道真 、所収:後撰和歌集

『桜の花よ主を忘れないのなら、吹き込んでくる風に伝言しておくれ』という歌、なんだか似たような趣向を思い出さないだろうか? 例えばこれ『東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春を忘るな』。桜と梅の違いはあれ、どちらもそれを擬人化して主から言いつけをしている、しかも「風」を使えという指示も同じだ。詠み人だが、実はいずれも菅原道真である。するとどうだろう、今日の歌もなんだか切迫感あるシーンで詠まれたものに思えてくる。詞書にはこうある「家より遠き所にまかる時、前栽の桜の花にゆひつけ侍りける」。むむ、家より遠いところだと… それはやはりあそこか、だ、大宰府なのか!? だとすると、「飛梅」だけでなく「飛桜」があってもおかしくないということだ。う~ん、気になる歌だ。 

(日めくりめく一首)

→「令和の歌合せ(皐月の会)」5/26(日)10:00~12:00