おのづから涼しくもあるか夏衣ひもゆふぐれの雨の名残に(藤原清輔)

今日は旧暦の6月29日
よみ人:藤原清輔 、所収:新古今和歌集

『いつの間にか涼しくなってきたようだ。夏衣の紐を結う、夕暮れの雨の名残で』。上下が倒置されているが、なんということもない歌だ。少しの違和感があると思うが、それは「夏衣」の縁語として選ばれた四句「紐結ふ」に発する。ご理解の通り「夕暮れ」の掛詞となって、涼しさの原因(夕立の雨の名残)に帰結している。もし夕暮れに紐を結う行為が何事か意味をなせば歌も膨らむが、ここでは言葉遊びに留まる。ちなみに和歌で「紐解く」には「愛しい人に逢える」というジンクスを含む。

(日めくりめく一首)

→令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、神無月)10/27(日)9:50~11:50