うちしめり菖蒲ぞ香るほととぎす鳴くや皐月の雨の夕暮れ(藤原良経)

今日は旧暦の4月18日
よみ人:藤原良経 、所収:新古今和歌集

昨日に続いて良経の菖蒲である。そしてこれこそ後京極摂政良経、渾身の一首である。
まず詞(ことば)、二句で切れて三句目で場面を転換、間髪入れずに四句目を倒置している。かつ結句を上下両方の情景に関係させ一首を統合、巧みな構成力によってえも言われぬ恍惚のリズムを獲得している。そして心、菖蒲が放つ強烈な臭気と切望を誘うホトトギスの声、これを夕暮れの雨に重ねて、咽び悶える偲ぶ恋を描いている。なんと激烈な歌だろう。これは悪魔の歌だ! 少なくとも私は、この歌を聴いた瞬間から頭を離れない。

(日めくりめく一首)

→令和の古今伝授(和歌を詠み書くための会、長月)9/22(日)9:50~11:50