「溶く(とく)」 ~美しい日本語の四季(その4)~
4「雪の内に 春はきにけり うくひすの こほれる涙 今や溶くらむ」(二条の后) 「溶く」とは「溶ける」の古語です。 春になって暖かくなれば、池の氷や軒から下がる氷柱が融けることになんら違和感はありませんね。 しかし歌では...
4「雪の内に 春はきにけり うくひすの こほれる涙 今や溶くらむ」(二条の后) 「溶く」とは「溶ける」の古語です。 春になって暖かくなれば、池の氷や軒から下がる氷柱が融けることになんら違和感はありませんね。 しかし歌では...
3「春霞 たてるやいづこ みよしのの 吉野の山に 雪はふりつつ」(よみ人知らず) 春の訪れを知る代表的なもの、と聞いてあなたは何を思い浮かべますか? 多くの人は「梅」や「うぐいす」を挙げるかもしれませんね。和歌ではこれに...
「袖ひぢてむすびし水のこほれるを 春立つ今日の風やとくらむ」(紀貫之) 歌中の「春立つ」とは二十四節季の第一、「立春」を指します。旧暦(太陰太陽暦)ではこの日を年の始めとしていました。今でもお正月を「新春」というのはこの...
1.「年の内に 春はきにけり 一年(ひととせ)を 去年(こぞ)とやいはむ 今年とやいはむ」(在原元方) これは1100首が収められた古今和歌集の記念すべき第一首目の歌です。 「年内に春が来た。この一年を去年と言おうか? ...
【七夕】 黒い雨 ながれる涙 天の川 七色の恋 濡れた短冊 ——————- 題:VISUAL書句(SHOCK)「七夕」 歌/書:KATSUHIRO ...
東風のいろ 漏れる溜息 春はきぬ 凍れる刃 今ぞ溶けぬる 霞立ち 闇にまがへる 横顔に 触れる切先 かすかな匂い 輝ける 花に手向ける エメラルド 涙に宿す 狂...