穢れと美学の攻防、古今集の哀傷歌を知る

古今集をはじめとする歴代の勅撰和歌集は四季歌と恋歌を二大テーマに据え、これらを時間的推移によって整然と配置していることが最大の特徴です。しかしこの「美学」が歌集ごと隅々まで行き渡っているかというと、実のところそうはなって...

小野小町 ~日本的、恋愛観のルーツ~

小野小町は九世紀に活躍した女房歌人。紀貫之による古今和歌集の仮名序では「六歌仙」という名誉ある歌人に選出され、平安の女流ではおそらく最も名の通った人物かと思います。 しかし小町は歌よりもその風貌で記憶されているのではない...

吉野といえば雪? 桜? 和歌で吉野山の歴史を知る

和歌に歌枕は数えきれないほどありますが、詠まれた回数でもそして歴史的にも最重要といえばここではないでしょうか? 「吉野」です。 現在、吉野山といえば世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一角としてその名が知られますが、知名...

素性法師 ~機知と皮肉、平安歌人のエスプリここに極まる!~

古今和歌集の代表歌人で好きな人を問えば、在原業平または凡河内躬恒、もしくは小野小町といった答えが返ってくるかと思います。かくいう私、もちろんダントツで貫之パイセンです。理知的と揶揄されますが、その裏に見え隠れするユーモア...

平安の三大歌合戦!(寛平后宮歌合、天徳内裏歌合、六百番歌合)

国民的バンド、サザンオールスターズの熱唱で幕を閉じた第69回NHK紅白歌合戦。 大みそか恒例の番組も、今回は平成最後ということで例年以上の盛り上がりを見せました。 さてこの歌合戦、平安貴族たちも負けず劣らず熱中していまし...

歌詠みの手引き、和歌の型

さあみなさん、歌を詠みましょう! と言われてもなかなか詠めるものではありませんよね。 感じたままを三十一文字にまとめればいいのです! などと言われると、これが余計に難しい…… だいたいの人間にとって、素の感情を出すなんて...

心と詞で知る、三大集(万葉、古今、新古今)と玉葉集(京極派)の歌風

万葉集、古今和歌集、新古今和歌集。これらを総じて「三大集」と言ったりします。古今から新古今の間には六つの勅撰集が存在しますが、古典和歌では歌風的な特徴が際立っている上の三つをとくに重んじたのですね。 ※ちなみに「三代集」...

日本文化の最重要ワード「わぶ(わび)」を知る!

“古語辞典”もしくは“テストに出る古文単語300”なんてのでもいいのですが、 パラパラとめくってみると、あることに驚かされます。 「あいなし」(形) 「あじきなし」(形) 「いたづらなり」(形動) 「うし」(形) 「うた...

身を知る雨 〜和歌で知る平安のジンクス〜

今も昔もつい気になっちゃう、今回は和歌と「ジンクス」の話をご紹介しましょう。 ジンクスとは、例えば「茶柱が立つと良いことが起こる」とか「黒猫が横切ると悪いことが起こる」といった縁起を担ぐ事象もろもろを言います。 みなさま...

花見の前に知りたい! 風流人を気取れる「桜の褒め方、愛で方」

桜花は勅撰和歌集の春の後半(春下)をほぼ独占し、それはそのまま日本を象徴する花となりました。開花が迫れば「桜前線」の予報はお茶の間を賑やかし、咲いてみれば学校や並木道はもちろん近所の公園や路地までも、我も我もと誇ってみせ...

春はいつから春? 八代集で知る春のはじまり!

古来より歌人たちは「四季」に深い関心を寄せてきました。古今和歌集をはじめ歴代の勅撰集の巻頭が「春部」から始まる構成をとっていることが、これを雄弁に物語っています。 ところでこの「春」って季節、いつからはじまると思います?...

「妄想女子の恋歌日記」~恋顧みる1月の巻~

●1月31日 春。 新しい命が息吹く特別な季節 見るものすべてが輝いて見えた つまんない人生も、 春になればきっと変わるって いつも信じてた それが私にとっての春、 だった。 彼と出会って一年、 恋が終わってみれば 私は...

「妄想女子の恋歌日記」~恋終わりの12月の巻~

●12月9日 時雨の夜、突然彼から電話があった でもお互いに交わす言葉もなくて、 聞こえるのは 傘を持たない私に降る 冷たい雨音だけ 分かってるよ 「別れよう」って言いたいんでしょ? でも聞きたくない 心変わりしたあなた...

「妄想女子の恋歌日記」~恋飽きられる11月の巻~

●11月某日 学校からの帰り道。 家の近くのあぜ道なら誰にも見られないって、 初めて手をつないだ夏の日。 ずっとずっと、一緒にいられると思ってた。 秋風が吹き付ける。 あぜ道を行くのは私一人。 田の実と、彼を頼みにしてい...