令和七年「大塔宮鎌倉宮 夏の歌合」、盛会のうちに終了しました

このたび、鎌倉の由緒ある大塔宮鎌倉宮にて夏の歌合を無事開催することができました。

風薫る初夏の一日、厳かな社殿を舞台に、左右に分かれた歌人たちが和歌を披露し合い、その優劣を競うという、かつて行われていた歌合の様式を、現代に再現いたしました。平安の昔、歌は人の教養であり、心を通わせる手段であり、また芸術の極みでもありました。その伝統を、私たち令和和歌所は、いま一度現代に甦らせたいと願っております。

今回の舞台となった鎌倉宮は、後醍醐天皇の皇子・護良親王を祀る、歴史ある神社です。その清澄な空気と静寂の中に、読み上げられた和歌の声が響き渡ると、まるで時代がさかのぼったかのような不思議な感覚が漂いました。加えて、雅楽の生演奏と舞の奉納が加わり、場は一層の幽玄さを帯びました。

今回の催しを開催するにあたり、鎌倉宮の宮司様をはじめとする関係者の皆さまには多大なるご協力をいただきました。この場を借りて、あらためて厚く御礼申し上げます。

さて、この貴重な文化体験をより多くの方と共有するべく、当日の様子を撮影した映像を、YouTubeにて公開いたしました。美しい神域の風景や、和歌が朗詠される瞬間の緊張感、舞や雅楽の優美な雰囲気など、動画ならではの臨場感でお楽しみいただけます。ぜひご覧ください。

今後も令和和歌所では、和歌を通じて文化の継承と再発見を続けてまいります。和歌にご関心のある方、文化を愛する方々は、ぜひ今後の活動にもご注目ください。

「大塔宮鎌倉宮 夏の歌合」動画

本歌合では古式に則り、すべての歌を披講(甲・乙調)、左右評、判を行っています。

歌合題:遠聞郭公

歌合題:寄雲恋


・作者
左 圓学法師 攝津 海螢 山翠 片帆 水石 川波 竹ぼうき 確幸 虚白 螺実
右 先史 式 由良 そよかぜ 柚木崎 澪標 翔馬 三猿 正野 梅枝 朱鷺 閑遊
・講師 攝津
・読師 海螢
・発声:圓学法師
・判者: 攝津

(書き手:内田圓学)

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