去る令和七年二月十七日(新暦三月十六日)、上野桜木にて恒例の「春の歌合」を開催しました。
歌合とは歌題によって詠んだ歌(詠み人)を左右に分け、一番ごとに番え、それぞれを左右方人の評を受けた上で、判者が優劣を判断する、遊びであり真剣勝負である文芸批評の場です。
さらに歌合では、歌を懐紙に書き記した筆跡の美、歌を読み上げ・歌い上げる「披講」によってその場を飾ることから、さしずめ日本文化の総合芸術ともいえます。
と、あれこれごたくを並べても分かりづらいでしょうから、ぜひ下の動画をご覧になってください。先の春の歌合の「遠山桜 一~十番」の様子を字幕解説付きでご紹介しています。
令和和歌所では、和歌の伝統・まことのこころを継ぎ、後世へ繋げるために活動を続けています。歌合もその一環であり、いにしへの文献を参考に古式に倣った歌合を開催しています。
現代でも歌会と称して歌の披講を行うことなどはよく目にします。しかし「和歌とその批評」という、歌合を歌合たらしめる本格的な勝負まで行っているところは皆無です。しかもわたしたちの歌は「短歌」ではなく、あくまでも伝統的な「和歌(やまと歌)」であり、その勝負判もいにしへの歌論に則りかつ古語で行っています。
まことの「歌道」を継ぎたいという方は、ぜひ令和和歌所の門を叩いてください。ぜひ一緒に、本格的な和歌を楽しみましょう。
(令和和歌所 圓学法師)
歌合動画「遠山桜一~十番」字幕解説つき
- 題:遠山桜 祝
- 作者
左:圓学法師 攝津 虚白 竹ぼうき 朱鷺 山翠 翔馬 藤大 水石
右:先史 海螢 花野 螺実 閑遊 三猿 そよかぜ 澪標 川波 確幸 - 講師:攝津
- 読師:海螢
- 発声:圓学法師
- 判者: 攝津
懐紙

遠山の彼方此方にさきいでてまどかにひかる山桜かな
五月まつ家に生まれしみどりこに木の間もる日のなほ久しかれ
(歌・書 水石)

桜散る峰の白波こえてゆく舟ぞつれなき雁にぞありける
初春や松もたわわになるまでに降りつむ雪のいやしけ吉事
(歌・書 圓学法師)
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