既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その32「涙濡れて」

756「あひにあひて 物思ふころの わか袖に やとる月さへ 濡るる顔なる」(伊勢)
757「秋ならで おく白露は 寝覚する わがた枕の 雫なりけり」(よみ人しらす)

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「寒い」

冷たい秋風に意識がもどる

今夜も寝覚してしまった

ふと袖に目をやる

そこには見えたのは月

濡れに濡れた月

あれから幾夜泣き濡れただろう

もうずっと、眠ったままでいたい

(書き手:歌僧 内田圓学)
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