既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その2「見知らぬ女」

古今和歌集 恋一【470】「おとにのみきくの白露よるはおきてひるは思ひにあへすけぬへし」(素性法師)
古今和歌集 恋一【475】「世中はかくこそ有りけれ吹く風のめに見ぬ人もこひしかりけり」(紀貫之)

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恋とはこういうものなのだな。
不思議にこれほど愛おしく思う女に、私は逢ったことがない。

噂に聞くばかりだが、この思いは菊に置く白露のように、
夜は起きて眠ることができず、昼は苦しくて消えてしまいそうだ。

風のように、目に見ることが出来ない人であるが恋しくてたまらない。

どこに吹いて行くのだろう、この恋の風は。

(書き手:歌僧 内田圓学)
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見知らぬ女
古今和歌集 恋歌残酷物語 その2「見知らぬ女」

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