既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~ その34「花と恋」

795「世中の 人の心は 花そめの うつろひやすき 色にそありける」(よみ人しらす)
796「心こそ うたてにくけれ そめさらは うつろふ事も をしからましや」(よみ人しらす)
797「色見えて うつろふ物は 世中の 人の心の 花にそ有りける(小野小町)

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恋を失って分かったことがある

人の心は花染の色のように

移ろいやすいものだということ

それでいて花の様には色が見えない

だから思い悩むのだ

そしてもう一つ

本当に憎むべきは

心変わりしたあの人ではなく

恋に染まってしまった私自身ということ

恋などしなければよかった

(書き手:歌僧 内田圓学)
→関連記事「既視源氏物語 ~古今集恋歌の光る君~(総集編)
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