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春立ぬ

本日2月4日は「立春」、ついに季節は春となりました。
歌詠みの本格シーズン到来! ですね~

2「袖ひぢて むすびし水の こほれるを 春立つけふの 風やとくらむ」(紀貫之)
立春の風が冬の氷を解くという貫之の名歌です。
ちなみにこの歌は古今集の第二番にあり、その前第一番といえばこの歌、

「年のうちに 春はきにけり ひととせを 去年とやいはむ 今年とやいはむ」(在原元方)

年内に春が来た! つまり「年内立春」の歌ですね。
太陰太陽暦ではこのような矛盾が頻繁に起きました。

ちなみに2018年2月4日は陰暦12月19日にあたります、そう年内立春です。
暦を知ると、和歌がもっと楽しくなりますね。

ところで年内立春の歌といえば、正岡子規にボロクソに叩かれたことでも有名です。
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「再び歌よみに与ふる書」
先づ『古今集』といふ書を取りて第一枚を開くと直ちに「去年とやいはん今年とやいはん」といふ歌が出て来る、実に呆れ返つた無趣味の歌に有之候。日本人と外国人との合の子を日本人とや申さん外国人とや申さんとしやれたると同じ事にて、しやれにもならぬつまらぬ歌に候。
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実に呆れ返つた無趣味の歌、ひどい言われようです…
まあ確かに風情も何もありませんが、古今集が徹底した配列主義であること考えれば、
年内立春が第一番であることは必然だったのです。
※ちなみに以後の勅撰集の春部に年内立春は見当たりません。

とまあ、エピソードに事欠かない立春。
歌と一緒に新しい季節の到来を感じましょう。


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